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ζ(゚ー゚*ζこころ、のようです

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:55:06.59 ID:EkHFMXzz0

なんとまとめて頂きました。
オムライスさん ttp://vipmain.sakura.ne.jp/619-top.html
7xさん ttp://nanabatu.web.fc2.com/boon/cocoro.html

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:56:25.30 ID:EkHFMXzz0

( 五 )

私が完全に泣きやんでから、先生は私に語り始めた。
いじめ、について。

そう、私はいじめられているのだ。
ずっと直視しないようにしていた現実を突きつけられ、
折角止まっていた涙がまたあふれそうになる。

けれど、必死で我慢した。
負けを認めるのはいやだった。
少なくとも、先生の目の前では。


3 :ジェラートin抹茶ん ◆GREENTEAnQ :2009/01/17(土) 21:58:31.91 ID:Mkdu7QRKP

ζ(゚ー゚*ζいじめいくない

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:59:24.15 ID:EkHFMXzz0

(´<_` )「無意識のうちに、いじめを、自分たちが団結する手段として使っているんですよ。
      悲しいことに、集団は、共通の敵が居れば、仲良くなれますからね。
      転校生っていうのは、圧倒的弱者なんですよ。
      何の人脈も持たずに、既に出来上がったグループに放り込まれるのですから」

ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ、どうすればいいんですか?」

(´<_` )「貴方、集団に溶け込みたいというわけではないのでしょう」

ζ(゚、゚*ζ「…あることないこと言ってる人達には」

(´<_` )「でもそういう人達は声が大きいでしょう。貴方は転校生で、そして何も語らない。
      そうなれば、声の大きい人達の言い分が真実めいてきても仕方のないことでしょう?
      おそらくは信じていない人もいるでしょうが、
       ”それが嘘である”ということを確信するものもない」


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:00:01.89 ID:jZTRuYmW0
支援

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:01:22.96 ID:EkHFMXzz0

私が一言しゃべると、先生は何倍にもして返してきた。
多分、丁寧に、私にわかるようにという気遣いなのだろう。
それがわかっているから、まさか、説明は三行以内でしてほしいです、ともいえず。

ζ(゚ー゚;ζ「…えっと…よくわからなくなってきました」

(´<_` )「つまり、誤解を解かなければ、もしかすると、
       貴方の生涯の友になれるかもしれない人も、貴方を敬遠し続けます」

ζ(゚、゚*ζ「けいえん…」

(´<_` )「かかわりをもたないように、し続けます」

ζ(゚ー゚*ζ「えっと、だから…誤解を解かなきゃダメってことですね?」

(´<_` )「そうですね」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:02:07.85 ID:xNC7w2g3O
夏目漱石のオマージュかな?

支援

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:03:39.53 ID:EkHFMXzz0

ζ(゚、゚*ζ「…どうやって?」

(´<_` )「それは自分で考えなさい」

ζ(゚ー゚;ζ「えええ?」

(´<_` )「大事なことはちゃんと自分で考えないと。頭が錆びてしまいますよ」

ζ(゚ー゚;ζ「さ、錆びませんよ!」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:06:30.91 ID:EkHFMXzz0

ああ、こうして思い返してみれば、先生は本当に優しかったんだなあ、と。何度も思う。
例えそれが過去の罪に対する後悔から生まれた、もとは悲しいものだったとしても、
先生のその手と同じくつめたいものだったとしても、私に降りかかったものは確かにあたたかかった。

そこまで考えて、ふと先生の手紙の一節を思い出す。
先生らしく綺麗な、読みやすい字で書かれた、あの手紙。

”もし貴方が私を優しいなどとお思いなら――”

先生、でも、違います、それは。
否定してみるけれども、返事はない。


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:06:41.03 ID:xNC7w2g3O
支援

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:10:17.39 ID:EkHFMXzz0

(´<_` )「とにかく、貴方のすべきことは誤解を解くこと。
       気をつけて欲しいのが、その際に絶対に感情的にならないこと。
       それをしたならば、いいですか。貴方の負けですよ」

ζ(゚ー゚#ζ「やられっぱなしってことですか?!」

(´<_` )「…復讐を望むのですか?」

ζ(゚ー゚;ζ「そ、そんな大袈裟なものじゃないけど!悔しいです!」

ほんとうに、貴方はいじめられるタイプの人間ではありませんね、と先生は少し笑う。
けれどすぐに真面目な顔になって、私に忠告した。


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:12:30.14 ID:EkHFMXzz0

(´<_` )「別に責めるわけではありませんがね、
      これから信用を培おうという気があるのならもっと賢くなりなさい」

ζ(゚、゚;ζ「うー」

(´<_` )「…貴方、公共の場で、感情的に相手を罵る人間をどう思いますか」

ζ(゚ー゚*ζ「…大人げない?」

(´<_` )「そうですね。貴方はその人と喋ったこともありません。
      ただ悪い噂はいくつか聞きます。さて、貴方はその人を信用しようと思いますか」

ζ(゚ー゚;ζ「思いません…」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:14:19.99 ID:EkHFMXzz0

(´<_` )「良くできました。復讐が悪いことだとは思いませんよ。
      それをする権利を持つに値する苦しみを貴方は受けたのですからね。
      けれどそれで貴方の立場を悪くしては本末転倒というものです」

延々と続く教科書を読みあげるかのような説明に、
四文字熟語まで交えられては、馬鹿な私はついに根をあげるしかない。

人の口から、こんな言葉がぽんぽん出てくるとは思わなかった。
原稿もないのに。私ならきっと原稿があっても無理だ。漢字が読めない。

ζ(゚、゚;ζ「……おじさん…先生じゃないんだから…」

(´<_` )「…え?」

ζ(-、-;ζ「学校の先生みたいです…」

(´<_` )「……」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:16:43.97 ID:EkHFMXzz0

時間が、凍ったようだった。

その時の先生の表情が、今も忘れられない。

ほんとうに、その瞬間、泣きそうな顔をしたのだ。
痛みをかみしめるような、耐えるような。

すぐに、私はどうしようもない失言をしてしまったのだと思った。
それほどに、その表情は悲しいものだった。

それなのに。

(´<_` )「…ありがとうございます」

先生が紡いだのはありがとう、だった。
無理をしているのではないか、と不安になって先生の表情を窺ってみても、
そこにさっきの名残はない。


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:20:21.08 ID:EkHFMXzz0

(´<_` )「昔は、教師をしていたんですよ」

ζ(゚ー゚;ζ「ええッ?!」

(´<_` )「貴方くらいの生徒に教えていたんです」

ζ(゚ー゚*ζ「えええ!凄い!」

(´<_` )「すごい、ですかね」

思いもかけない告白に、さっきまでの不安は吹き飛んでしまった。単純馬鹿って素晴らしい。
先生の過去をしれたことが凄くうれしかった。ぐん、と近づけた気がした。

ζ(^ー^*ζ「すごいです!」

(´<_`*)「…そうですか」

少し照れたように笑う先生は、凄くかわいかった。


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:24:59.31 ID:EkHFMXzz0

日が暮れるまで、先生は私の話に付き合ってくれた。
愚痴も、くだらない話も、ずっと聞いてくれた。
説教めいた話も、先生の言うことなら納得出来た。

先生との会話はなんでこんなにも居心地がいいのだろう。
決して優しいだけではなく、厳しいことも言われるのに。

今まで誰にも言えなかった思いを全部吐き出して、
結局また少し泣いたけれど、先生は優しく頭を撫でてくれた。


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:27:17.44 ID:LVmc83F7O
支援

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:28:41.17 ID:EkHFMXzz0

(´<_` )「だいじょうぶですよ、あなたは、強い子です」

ζ(゚、゚*ζ「…まだ二回しか会ってないのに。なんでそんなこと、わかるんですか」

たった二回。時間にすれば数時間しか過ごしていないのだ。
その数時間だって、愚痴ってばかりで、私自身のことなど何も喋ってはいない。

そもそも、お互い名前も年齢も何も知らない。これじゃあ知り合いとすらいえないのかも。
だからと言って全くの他人かと言われると、理由もわからないままに、私は否定するだろう。
不思議な、関係。

私だって、何も知らないけれど、先生は優しい人だと思う。
先生も、そんな感じで私を強いだなんて言ってくれたんだろう。
そこまでわかっていた。

だから、私のこの質問は意地が悪く、そしてひねくれている。
自分に自信がないから、他人に埋めて貰おうという、惨めな思いから生まれたのだ。


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:29:01.01 ID:NZmtwNy1O
支援

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:32:10.66 ID:EkHFMXzz0

(´<_` )「わかりますよ」

ζ(゚、゚*ζ「なんで?」

(´<_` )「理由が必要ですか?」

それなのに。

ζ(゚、゚*ζ「必要です」

(´<_` )「そうですか。なら、次会ったときに教えてあげますよ」

それなのに、それなのに先生はこんなことをいう。
そして私は魔法にかかったように、信じてしまう。
私は強いのかもしれない、なんて。

ζ(゚ー゚*ζ「うー…」

先生は、一言でいうなら、ずるいひと、だと思う。
二言で言うなら、すっごくずるいひと。そんな人。
それが、今でも私の好きなひと。

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:36:25.58 ID:wTBhQ73oO
さる防止

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:38:12.34 ID:EkHFMXzz0

( 六 )

ひとつ、ふたつ深呼吸をして、教室のドアを開ける。
騒がしい教室が一瞬静かになる。
気にせず、私は自分の席についた。

(゜д゜@「よく学校来るよね…」

ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「凄い神経…」

从リ ゚д゚ノリ「都会の人ってみんなあんな感じなの?こわー」



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:41:32.51 ID:EkHFMXzz0

人に聞こえるように悪口言う神経も、私にはわからない。

余計な動きをせず、携帯電話の操作に集中する。
メールがきたわけでもないし、送る用事もないんだけど。
何もしないでいると、時間が経つのが恐ろしく遅いから、いつもそうしている。

少しずつ、教室は騒がしさを取り戻していく。

机に花が飾られてるわけじゃないし、物も無くなってないけどさ。
やっぱり、こんな生活はいやだ。

それならば、立ち向かえ。

大きく息を吐いてから、立ち上がる。今度は、誰も気にしない。
向かう先は、他人の机の上に座って喋っている三人組。

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:44:17.24 ID:LVmc83F7O
しえん

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:46:19.91 ID:EkHFMXzz0

根元が黒くなってる、痛んだ金髪。濃すぎるアイライン。厚塗りのファンデーション。
薄汚れたルーズソックス。よれよれのセーター。ジャージの上にミニスカ。

そのスカートに意味はあるんだろうか。ただの腰巻じゃん。
いっそ上下ジャージでくればいいのに。

(゜д゜@「マジ親父だるいし。昨日も喧嘩したー」

从リ ゚д゚ノリ「彼氏ンち泊まれば?私もう一週間帰ってないよwww」

(゜д゜@「今彼氏も微妙だしー。あいつマジむかつくんだもん」

噂の大本は、この、田舎ながらのギャル三人組。
小中学校は勿論、下手したら幼稚園からの間柄が半分以上を占めるらしいこの学校では、
たった三人でも命とり。特にこの子たちはいろんなところに顔がきくらしい。


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:50:06.29 ID:EkHFMXzz0

ζ(゚ー゚*ζ「ねえ」

从リ ゚д゚ノリ「…なんですかー?」

ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「話しかけないで欲しいんですけどー」

キャハハ、とイライラする笑い声。
ギャルを自負するならミニスカの下にジャージをはくな。
そこで寒さに負けるならギャルを名乗るな。

ζ(゚ー゚*ζ「私、援助交際とかしてないから。勝手な噂流さないで」

从リ ゚д゚ノリ「ハア?」

ζ(゚ー゚*ζ「暴力団とも繋がってないし。お母さんを殴ったこともないよ」

(゜д゜@「誰がヨソモンの言うこと信じるかよwwwww」

ζ(゚ー゚*ζ「…」


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:54:49.29 ID:EkHFMXzz0

感情に任せて、汚い言葉を浴びせたくなる。
でも拳を握りしめて、こらえる。
”負け”ですよ、という先生の静かな声を思い出す。

私のすべきことは、誤解を解くことだけ。
復讐は、あとで、もっと賢く…

ζ(゚ー゚*ζ「私、は、そんなことしてないから」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:55:05.67 ID:+QMAeS4WO
携帯小説でやれ

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:55:53.36 ID:EkHFMXzz0





ζ(^ー^#ζ「まあ?貴方達はどうか知らないけどね」








30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:56:52.71 ID:EkHFMXzz0

先生、ごめんなさい。
私はやっぱり馬鹿でした。

从リ ゚д゚ノリ「なっ…」

異変に気づいたらしいクラスの人々が、私たちを見ている。
睨みつけたら焦って目線を逸らした。
バレてないつもりなのだろうか、…だとしたら笑えちゃう。


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:57:27.03 ID:cgHJ6GgW0
しえん

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:57:47.98 ID:MzXCJCMBO
しえん

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:57:52.61 ID:BL1KuNkiO
支援

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:58:35.42 ID:LVmc83F7O
支援

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:58:42.08 ID:EkHFMXzz0

多分、この三馬鹿を含めて、皆、何も考えてなかったんだろうな。

私が人間だって、きっと思ってなかったんだろう。
自分たちと同じように、お父さんやお母さんがいて、
まあ、私には多分、お父さんは居ないんだけど。

引っ越す前は友達が居て…人生があって。
何かを考えて、傷ついたり、泣いたり、怒ったりするなんて、
考えてもみなかったのだろう。だから、何でも言える。

ずっと黙って、平気なフリをしていた私のせいでもある。

正直私も、この三馬鹿が悩んだりするのかな、とか思うけど。
けど、考えてみればわかるよ。理解は出来なくても。
援助交際してるんでしょ、なんて言われたら傷つくことくらいは。


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:58:46.66 ID:BL1KuNkiO
支援

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:58:56.39 ID:SehJoZIBO
>>28
夏目漱石『こころ』

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:59:19.38 ID:BL1KuNkiO
支援

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:59:52.07 ID:BL1KuNkiO
支援

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:02:13.50 ID:BL1KuNkiO
支援

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:02:30.42 ID:EkHFMXzz0

从リ#゚д゚ノリ「んなことしてるわけねーだろ!親父なんてきもいし!」

ζ(゚ー゚#ζ「私も同じよ」

(゜д゜@「ああ?!」

ζ(゚ー゚#ζ「好きでも無い男の人と、どうにかなるなんて絶対に嫌。あなたもそうでしょ?」

ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「…」

ζ(゚ー゚*ζ「それだけ。もう変な噂流さないでね。…酷いこと言って、ごめん」


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:04:11.80 ID:EkHFMXzz0

三人が黙ってしまったのをみて、少しだけ私、かっこいいかも、と思ってしまう。
その三人から伝染していった静けさに、そんな思いはすぐ消えてしまったけど。

想像してもらったらわかると思うけれど、本当に気まずい空間になった。
さっきまでかっこいいかも、なんて思っていたから余計に。
気まずいというか、恥ずかしい。

けれどそれを表に出すのが悔しくて、毅然とした態度で私は教室を出た。
馬鹿みたいだけれど、これが私の精一杯の強さだった。

恥ずかしさが薄れてくると、不安がよぎってくる。

私は本当に間違ってない?
あれが最善だった?

それを考えると、とてもじっとしていられない。
部屋の中を意味もなく歩きまわる。
こんなことしていちゃ駄目だと飛び込んだベッドの上でもばたついたり、
あーだとかうーだとか、奇声を発してみたり。


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:06:12.32 ID:BL1KuNkiO
支援

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:08:13.10 ID:inLLJW+bO
支援

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:08:24.63 ID:EkHFMXzz0

これで、先生に褒めてもらえるかな?

その考えに辿り着いてようやく、私は落ち着いてきた。
先生の言葉をひとつ、思い出すたびに、ひとつ呼吸が出来た。

先生を思うと、ひどく安心する。
けれど、先生を想うと、落ち着かない。

海のような人。
昼の海はなぜか安心するけれど、夜の海は不安を誘う。

我慢できなくて、あの海辺へ行ったけれど、先生は居なかった。
でも不思議と悲しい気持ちはしなかった。

このことが、私たちの出会いを運命だったと言ってくれたのだ。
私が本当に救いを求めたそのときは、何か運命的な力が働いて、
先生がここに居てくれる…。

そんな、幸せな勘違いをさせてくれた。
だから、ひとりぼっちで海で待っているのも、全然苦痛じゃなかった。

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:12:28.95 ID:EkHFMXzz0

先生が来たのは、もう日も沈むだろう、という頃だった。
今考えれば、先生は私の学校が終わるくらいの時間に来てくれたんだろう。

今日の私のささやかな武勇伝が、
結局サボリという結末を迎えたということを知ると、先生から笑顔が消えた。

(´<_` )「…貴方、まさかずっと待っていたのですか?私が来るのを?」

ζ(゚ー゚*ζ「はい!」

(´<_` )「そんな格好で…」

ζ(^ー^*ζ「もう慣れました!」

私はもしかしたら、先生が困ったような顔をするのが好きだったのかもしれない。
先生の笑顔は大好きだったけれど、それは先生が私との間に作る壁でもあった。

その、困ったような顔をしているときは、先生の心がきっと揺れているときだ。
だから、先生のその表情も、溜息も、私はうれしかった。


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:17:20.64 ID:BL1KuNkiO
支援

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:19:38.75 ID:EkHFMXzz0

それからしばらく先生のお説教が続いた。
女の子が身体を冷やすもんじゃないとか、
そもそもそんな短いスカートはよろしくないだとか。
私が年寄り臭いと抗議すると、年寄りですからと返ってくる。

ミニスカは女のプライドなんだと熱弁すると、
それ以前に男のロマンでしょうと静かに言われて、
私がびっくりして何も言えずにいたら、先生はくつくつと笑った。

(´<_` )「冗談ですよ。嘘ですけれど」

ζ(゚ー゚;ζ「どっちなんですか?!どっちなんですか?!」

(´<_` )「さあて、ね?」

試合に負けて勝負に負けた、って感じ。
…まあ、つまり超負けたってことなんだけど。

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:20:27.07 ID:BL1KuNkiO
支援

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:21:41.48 ID:91CVhD6Q0
そしてKは死んだ

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:22:35.61 ID:EkHFMXzz0

(´<_` )「…となると、あとは運ですね」

ζ(゚ー゚*ζ「え?」

(´<_` )「だから、貴方の学校の問題です」

ζ(゚ー゚;ζ「そんないきなり話戻されても!ちょっと忘れてましたよ!」

(´<_`;)「忘れないでくださいよ…」

私は目の前のひとつのことしか考えていられないけれど、
どうやら先生はそうではないらしい。

こーしこんどうはしない、みたいな感じですかね!と尋ねたら、
それは少し違いますね、と苦笑された。

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:27:30.05 ID:EkHFMXzz0

ζ(゚ー゚*ζ「ええと、運?」

(´<_` )「そう、貴方のクラスに良い人が居るといいのですが」

ζ(゚ー゚*ζ「居ますかねー」

(´<_` )「さて、どうでしょうね」

ζ(゚ー゚*ζ「いなくても、いいや」

(´<_` )「なぜ?」

ζ(^ー^*ζ「せんせーが居ますもん」

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:30:45.35 ID:EkHFMXzz0

このとき初めて、私は彼を先生と呼んだ。
彼が昔教師をしていたのだと聞いてから、
心の中で呼びかけるときはずっとそう呼んでいた。

呼んでみると、なるほど確かに彼には先生という言葉が似合うのだ。
まるで本当の名前のように、私の心になじんでしまった。

けれども、あの、悲しい表情を忘れてしまったわけではなくて、
だから本当に彼にそう呼びかけるつもりはなかったのだ。
先生は私にとって何よりも信じるに値する人だったけれど、
どんな人よりも危うい存在だったから。

何が先生を傷付けてしまうか検討もつかなかったから、
せめて思いつく限りは傷付けないようにしておきたかったのに。

なのに、せんせい、と呼んでしまったことに、
私は先生の驚いた顔を見てから気がついた。

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:33:01.82 ID:QqH4c3Ps0
支援

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:34:27.84 ID:EkHFMXzz0

ζ(゚ー゚;ζ「す、すすすすみませんごめんなさい!」

(´<_` )「いえ、少しびっくりしただけで」

ζ(゚ー゚;ζ「ごめんなさいごめんなさい!そんなつもりじゃ」

(´<_`;)「お、落ちついて下さい…」

ζ(゚ー゚;ζ「あ、うあう」

(´<_` )「もう何年ぶりかに呼ばれたので、驚いただけで、別に気を悪くしたわけじゃあありません」


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:38:10.51 ID:EkHFMXzz0

(;´_ゝ`)なんだこのどっかで見たような鬼畜安価は!!

(´<_` )考えるんだ、逆に考えるんだ!確か前は突入だったからそれよりはマシなんだ!

(´<_` )脱げ!脱げ兄者!

(;´_ゝ`)うわなにするやめ…いやーーーたすけてえええええ犯されるウウウウウウウ

(´<_`;)ちょ、黙れ兄者!!!

(;´_ゝ`)これが黙らずにいられるか!

(´<_`;)此処をどこだとおもってる!家じゃないんだぞ!

(;´_ゝ`)へ?

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:38:37.66 ID:JEm5avmZ0
誤wwwwwwwwww爆wwwwwwww

58 :>>56は誤爆です、すみません:2009/01/17(土) 23:39:42.08 ID:EkHFMXzz0

ζ(゚、゚*ζ「…本当ですか?」

(´<_` )「嘘をついてどうするんですか」

ζ(゚ー゚*ζ「よかったあ!じゃ、じゃあ、じゃあ!これから先生って呼んでもいいですか!?」

(´<_` )「そんなに、呼びたかったんですか?」

ζ(゚ー゚*ζ「はい!すっごく!呼んでいいですか!」

(´<_` )「はい、いいですよ」

ζ(^ー^*ζ「やったー!ありがとうございます!」


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:42:21.30 ID:S7CW4Boq0
>>56を見てなぜか落ち着いた

支援

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:42:59.03 ID:tmLxbj/VO
さすがにその誤爆は萎えるかなー。
逆ならまだしも


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:45:23.19 ID:EkHFMXzz0

心の底からお礼を言うと、自然と笑顔になるのだと私は知った。
そして、言われた方も。

私の笑顔は単純な嬉しさからくるものだったけれど、
先生はどうだったのだろう。

私が先生のことを思う度にひとつ息が出来たかわりに、
先生は先生と呼ばれるたびに、息が詰まっていたのではないか。
それを思うと、たまらない気持ちがする。

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:46:36.89 ID:cdErgA4iO
すごい面白い
>>1はもしかしてプロの方?

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:50:32.83 ID:EkHFMXzz0

ねえ、先生。

”もし貴方が私を優しいなどとお思いなら、
 きっとそれは、私に降り注がれたふたりの血の温かさなのだと思います”

知ってましたか?
血は確かに温かいかもしれないけれど、
人の内から出てくるものは、全部熱を帯びているんですよ。

先生は、知らなかったんですよね。涙だって、ほんの僅かだけれど、あたたかいんですよ。
ずっと一人で泣いていたから、この海のつめたさと、勘違いでもしたんでしょうか?
どっちも、しょっぱいですもんね。

…だから、違うんです。違うんですよ。
何度だって否定してみるけれども、返事はない。

永遠に、返ってこない。


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:55:41.75 ID:S7CW4Boq0
(´;ω;`)

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:56:11.74 ID:cdErgA4iO
支援

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 23:58:45.69 ID:EkHFMXzz0

本日の投下はこれで終了です。
途中の誤爆は、本当に申し訳ありませんでした。
改めてお詫びいたします。

もう二度とこんなことしないよ!

支援ありがとうございました。
何かあればどうぞ。


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/18(日) 00:03:48.12 ID:opdXmydvO
乙!
誤爆の謝罪と賠償に続き投下汁!!www

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/18(日) 00:04:30.08 ID:3EZLEHhS0
いつごろからブーン系?小説を?

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/18(日) 00:06:31.42 ID:RdX853fvO
面白かったよ!
乙!

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/18(日) 00:08:38.47 ID:H/Vk7VtI0
投下中の質問など。

>>7
そんな感じです。

>>60
本当にすみませんでした。

>>62
とんでもない。ただの学生です。

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/18(日) 00:11:23.12 ID:H/Vk7VtI0
>>67
書きためこれで全部なくなったwwwww

>>68
もうすぐ一年になります。
まだまだ至らないところが多いですね…。

>>69
ありがとう!

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/18(日) 00:16:34.64 ID:3EZLEHhS0
>>71
いやーすごく好きです。はい。
次回楽しみにしてます。乙!

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/18(日) 00:23:17.13 ID:H/Vk7VtI0
>>72
いやーどうもwww
ありがとう!

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/18(日) 00:30:41.16 ID:X5Zl8L5BO
よむほ

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/18(日) 00:41:55.01 ID:X5Zl8L5BO


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